JR西日本225系700番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

国鉄型車両が比較的多く残るJR西日本、近畿エリアでは225系の導入を進め、京都口で走っていた113系・117系を置き換えています。そんな当系列ですが、2023年より新しい形態を持った車両が登場しました。

 

それがこちらの1両。新快速で始まった有料着席サービス、A-SEATを提供する列車の運用を拡充させるために登場した700番台です。

 

223系1000番台と同様、前面は100番台と帯色のパターンは変わりませんが、窓回りは連窓風の黒い帯、その下には北陸の521系のような青帯2本を配しています。新快速用車両としては117系以来の新製2扉車で、窓配置的に急行型車両のようにも見えますね。2両が登場し、既存の223系と共に1日3本の運用に入ります。

 

車内です。転換クロスシートを備えたある程度の快適性を提供している新快速において、リクライニングシートが並ぶ車内はまだまだ新鮮です。

 

ドアです。登場時から着席定員以上の乗車を考慮しなくてよいため、153・165系以来の片開き式となっています。特急型車両と同様に窓を片側に寄せたデザインとしています。

 

開閉ランプは中央の1灯となっています。そうそう、この車両は指定席車ではありますが、デッキと言えるドア付近は指定席券を持っていなくても立ち席で乗車は可能です。

 

開閉ボタンです。225系標準と言えばそうですが、ここまで開閉ボタンの表示に面積を割く車両も少ないと思います。大きさという点では目立ちますが、色調はシックにまとめています。

 

ドア横には荷物置き場が両側に設置されています。二段式ですが面積は狭い上に、仕切りよりドア側にありますので立ち席利用者も使えてしまいますし、指定席利用者にしても監視カメラ設置のステッカーがあるとは言えセキュリティ的に不安があると思います。なるべく立ち席スペースを広く取りたかったのは理解出来ますが、「指定席利用者のために設けた」と言われれば片手落ちな感は否めません。

 

車端部方向を見ます。仕切り扉はありませんが、1000番台とは異なり完全に壁として仕切っています。おかげで立ち席客は見えにくくなった一方で、これが荷棚が外側にあることを不安に思う要素のひとつになっています。壁は223系1000番台に引き続き濃い木目調、117系のDNAを感じます。

 

最前面方向を見てみます。付帯設備として監視カメラとLCDディスプレイがあります。LCDディスプレイ自体は225系の標準装備品ではありますが、223系1000番台ではドア上にしかLED表示機が無く座席からの視認性ゼロでしたので、サービスアップに繋がっていますね。

 

最前面…ですが、現行ではこの編成単独での運用は存在しないため、ここから前面展望は楽しめません。乗務員室にはA-SEATの車掌さんが乗務します。地味ですが、自由席仕様の100番台は窓下に広告ステッカーが貼られていましたが、この車両は貼られていないようです。

 

天井です。吊革はもちろん不要なのでスッキリしています。中央付近にもLCDディスプレイが設置されていますので、後ろの方に座っていても情報が把握出来ます。この仕様、ちょっと海外の車両っぽいですね。照明は暖色系のLED灯、有料車両だからこうなったのだと思いますが、逆に有料車両にしてカバー無しなのはいかがなものかとは思います。この辺りが、特急料金と指定席料金とのささやかな格差付けということなんでしょうか。

 

窓です。2席に1枚の割り当てで、日除けはフリーストップタイプのロールカーテンとなっています。野洲行きは偶数、姫路・網干行きは奇数の席が、柱が干渉しない列となります。223系は3扉車からの改造で眺望が絶望的な列がありましたが、新造車ゆえそれが無い…本来あるべき姿になりました(笑)

 

1番席は座席数の都合で1枚窓となっています。窓の下辺は100番台と同様広げられているため、ペットボトルなどを置けるようになっています。

 

一部の窓は換気のため開閉可能です。

 

座席です。回転リクライニングシートで、223系1000番台と近い形状のものを搭載しています。ヘッドレストカバーは折り返し運用時に取り替え無いことと汚れを染み込ませにくくするためか、レザー調のものを採用しています。ここだけ見ると、転換クロスシートと同じビニール調のものを貼っているキハ187系よりは触感としては上を行きます(笑)

 

座面が短め、その割にヘッドレストが厚めという構造で座り心地がイマイチなこの座席、どう座ればより良いか色々試しましたが、浅めに腰掛け、背ズリの縫い込み辺りに頭を置くと、新感覚の座り心地を味わえます。ただあくまで体勢を少し変えたい時に、というものですし、普通に座ってよろしくない座り心地の座席はやはりイマイチです。

 

肘掛け先端にはコンセントがあります。フリーWi-Fiも設置されていますので、ソフト面でも有料サービスを拡充させています。なお、お隣の自由席車ではほとんどWi-Fiの電波が入りませんでした。どうしても使いたい場合は、立ち席利用ということになりますね。そういえば的に、223系1000番台にはあったビスが無くなったり、リクライニングボタン周りの盛り上がりが無くなったりと、凹凸が少なくスッキリしましたね。

 

シートバックテーブルの案内です。「有料座席です」とは書いていますが、時折指定席券を持たざる客が何食わぬ顔で座って、車掌さんに移動を促される場面を目にします。

 

仕切り際の席はテーブル面積を大きくしたオフィスシートとなっています。223系とは異なり仕切りがしっかりしたものになったので、全8席にテーブルに設置されました。そうそう、223系と比べると12番席が無くなり、シートピッチも2cmほど狭くなっています。そして、223系の12番席はネット予約では全列車が表示されない状況でして、当日でも出て来ませんでした。そのため、どの系列が来るかは出たとこ勝負となります。

 

トイレです。バリアフリー対応の大型タイプで、ドアはボタンで自動開閉出来ます。ここには非常通話装置と非常灯が備えられています。

 

向かい側にはフリースペースと…ええ、JR西日本でこんな文字を書こうとは、1人掛けロングシートが設置されました。某所では介助者用シートと書いてまして、優先座席にも指定されています。が、その割には袖仕切りは大型タイプ、安全性を優先したか介助者用席にしてはちょっと介助には向かない構造ですよね。

 

右上には各種ステッカー。必要な設備の拡充、安全性の表示、それを守るためのお願い…過去の歴史を踏まえ、表記も増えてきています。

 

車両はこの辺にして、駅の表記を見てみましょう。白色△印9番の位置がA-SEATとなるため、右側に申し訳なさそうに乗車位置表示があります。中央にはドアが無いため、その部分は黒字で注意書きがされています。

 

大阪駅の発車標はこの通り。各駅で乗車位置を表示しても、このように発車標に表示しても、これらを見ない・放送を聴かない勢で指定席券を持たざる方々が乗車位置に並び、駅員さんや交代の車掌さんに移動を促されるシーンを目にします。

 

大津駅では職人さんがいるのか、よりロゴに近い字で表示させています。誤乗に関してはある程度仕方が無いところはありまして、運転本数が少ないためA-SEATの存在が認知されていないことが原因のひとつだと思います。現在ではこれ以上の拡充は考えていないそうですが、JR北海道・快速エアポートの「uシート」くらい認知度が上がらねば、あの光景はしばらく続くことになるでしょう。